壊滅的被害を受けた仙台空港に強行着陸、資材の輸送に米空軍特殊作戦軍団が活躍
2011.03.17 17:04 by chaka
地震と津波で甚大な被害を受けた航空自衛隊松島基地と仙台空港の機能を復活させるため、アメリカ空軍の中でも特に腕利きが集まる空軍特殊作戦軍団が「MC-130」シリーズの輸送機を2機派遣、空港に強行着陸し物資・機材を搬入することに成功しました。
作戦に参加したのは、沖縄・嘉手納空軍基地をベースにする第353特殊作戦群。その名の通り特殊部隊の投入・回収を主な任務とし、降りられそうにないところに飛行機を降ろしてしまうプロフェッショナル集団です。 用いられた「MC-130シリーズ」は、自衛隊を含む各国軍で導入されている万能中型輸送機・C-130ハーキュリーズの派生型の1つ。狭い飛行場でも運用が可能なほか、レーダーや暗視装置などの電子機器が強化されており、明かりのない暗闇や悪天候の中でも高度約80mで飛べる能力を持っています。
何がすごいの?と思う人はこちらの動画をどうぞ。この機体は真っ暗闇でいつ撃たれるか分からない中でこういう飛び方ができるのです。
YouTube – Goal Post 1
今回の作戦では、まずMC-130P「シャドウ」が航空自衛隊松島基地に40分かけて慎重に着陸。すぐさま管制機能を回復させるための機材・人員が降ろされます。
その後、今度は陸路で仙台空港に機材と人員を移動。滑走路をチェックした後、MC-130H「コンバット・タロンII」を無事に降ろすことに成功しました。仙台空港に固定翼機が着陸するのは震災後初めてのことです。
重機をおろすコンバット・タロンII。
コンバット・タロンIIは一機約117億円。もし着陸に失敗していたらとんでもないことになっていたことを考えると、アメリカの本気がうかがえますね。
パイロットの腕前がすごいのはもちろんのことですが彼らを誘導する地上管制員「コンバット・コントローラー」達もプロ中のプロ。空中からの支援攻撃を地上からコントロールすることもあるため、グリーン・ベレーなどの特殊部隊と同等の戦闘能力をもつよう訓練されています。
アフガニスタンの不整地でC-130を誘導するコンバット・コントローラー。必ず一番最初に現地入りする危険な仕事です。
今回はそんな彼らでも「ダメージを受けた飛行場に降りたことはあるが、ここまでひどく打撃を受けた場所は初めてだ」と、今回の被害のひどさを感じられるコメントを残しています。
こちらはコンバット・タロンIIのプロトタイプとなったYMC-130H。人質救出の後、部隊がサッカー場のような狭い場所からでも脱出できるようにするというコンセプトで開発が進められました。
YouTube – Credible Sport Test YMC 130 H
ちなみに自衛隊も腕前では負けません。超不安定なヘリをここまで正確に降ろすことができるパイロットはなかなかいないでしょう。
ソース:Special-ops Airmen open strategic runways for relief operations
AF.mil – Media Gallery
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