2011年1月26日水曜日

小沢総理なんてまっぴらゴメンだ
 総力大特集 安倍か、小沢か
 WILL 2007年9月号                   ●石原慎太郎 (東京都知事)

 小沢が「日本の親父」!?

先週の週末、台風一過で久し振りに多摩川の土手を散歩し、町に出ると、見慣れないポスターが目に付いた。民主党党首・小沢一郎の顔が、表情の違うものが3枚並んでおり、その真ん中のポスターに「我らの親父」と書いてあった。
参院選を契機に与野党逆転させ自分の政権を作り、小沢内閣ができて自分が総理になるつもりなのだろう。そういう意味で、「我らの親父」というキャッチをつくったんだろうが、私は彼が「日本の親父」になるのなんてまっぴらゴメンです。
若い人は知らないだろうし、年配の方も忘れてしまっただろうけれど、小沢一郎が自民党でさんざん好き勝手をして、大金もつくり、平成5年に自民党を出て新しい政党を作った。それで政界は大混乱になった。その党は新生党という名前だった。
昭和49年、私は『文藝春秋』に角さんの金権政治を批判して「君、国売り給うことなかれ」という論文を書いた。それが引き金になって、立花隆さんと、もう一人は亡くなった児玉隆也さんの田中角栄の批判の記事が載りました。
立花さんは「田中角栄の金脈と人脈」を書き、児玉さんは「淋しき越山会の女王」というタイトルで、田中派を牛耳っていた佐藤昭という金庫番の女性のことを 書いた。すると、それがきっかけで彼女を参考人として国会に呼ぼうじゃないかということになった。角さんは「これはいかん」と思ってパッと辞めちゃった。
角さんが辞めたのはロッキード事件ではない。ロッキード事件は辞めた後のことです。
私は角さんはアメリカの陰謀の犠牲になったんだと思う。角さんは何もかもアメリカに牛耳らせてはならない、せめてこれからのエネルギー、原子力のウラニウ ムの供給だけは自前のルートを作ろうと、首相外交でやろうと思った。それがアメリカの勘に触った。
エネルギー問題でアメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄を完全に葬ろうとして、アメリカがメチャクチャな裁判をけしかけてきたのです。

 過去にけじめもつけずに

しかし、金権で倒れた後も、ロッキード事件が起こるまで角さんの作った田中派、「経世会」は、自民党すなわち日本の政治を牛耳ってきた。そのもとで一番、 勝手気ままなことをした金丸信という人の庇護の下で、30代で幹事長をつとめ、自民党を壟断してきたのが小沢一郎です。その小沢一郎がさっさと仲間を固め て出て行って、新生党を作った。その時に、田中角栄の金権政治と戦った立花隆さんは朝日新聞にこう書きました。

  《羽田新党とは何か。あなた方は、要するに経世会の分裂した片割れではないか。経世会とは何か。要するに旧田中派ではないか。田中派とは何か。5億円収賄犯・田中角栄をかついで、日本の政治を10年余りにわたって目茶苦茶にしてきた徒党ではないか。
党外の刑事被告人を領袖とあおぎ、天才政治家とあがめ、田中が右といえば右、左といえば左に動いて、日本の総理大臣の首を次々にすげかえ、数の力であらゆ る道理を踏みにじってきた、政治腐敗の元凶のような集団ではないか。あなた方はその中核だったではないか。
田中が病気に倒れると、看板を経世会とかけかえただけで、田中派時代と全く同じように、金の力と数の力で政治を支配し、権力のうま味を思う存分吸い取ってきたのが、あなた方ではなかったか。
あなた方のつくったそうした政治構造が、リクルート事件を生み、佐川事件を生み、金丸事件を生んだのではなかったか。いまや政治腐敗の代名詞となった竹 下・金丸は、あなた方の大親分ではなかったか。ついこの間まで大親分の集めた黒いカネを喜んでもらっていたのは誰なのか。
政治改革という錦の御旗を振り回していれば、そういう恥ずべき過去をみんな忘れてくれるとでも思っているのだろうか。
いま必要なのは、政治改革よりあなた方の人間性改革だろう。その第一歩は、日本の政治を破壊し腐敗させてきたのは自分たちであると正直に認め、懺悔し、反 省することである。自分たちの過去にけじめもつけずに、何が新生だ。ちゃんちゃらおかしい》
(1993年6月24日)


かなり激しい文章だが、しかしこの通りだと思う。

 アメリカの経済奴隷に

日本とアメリカの関係の中で、日本をアメリカの経済奴隷にしたのは誰か。金丸・小沢じゃないですか。
大都市はともかく、地方都市の商店街はほとんど潰れてしまった。そして代わりに郊外に大店舗が出来た。私は自分の選挙区での体験から、こんなものを作った ら商店街は駄目になるとわかっていたし、多くの者が反対した。アメリカの圧力のままに、大店舗法なるものを改悪し、商店街を潰したのは金丸、小沢です。
それから、やっちゃいけない日本とアメリカの対の経済構造協議というのをやった。
世界が狭くなってきて、経済先進国同士で問題が起こると世界全体に影響を及ぼすからと、みんなで合議しようということで経済先進国が集まってWTOとかOECDを作った。
しかし、アメリカは日本の経済に押されて具合が悪くなってきたので日本をとっちめてやろうと、安保条約で恩に着せて、自分達が軍備を使って日本を守って やっているんだから言うことを聞けといって、バイラテラル(2国間)の経済構造協議をやることになった。
私達は大反対しました。案の定、アメリカは270項目の要望を突きつけてきた。中にはとんちんかんなものが随分あった。
私はそれに反対して、140項目の反対案を作った。私が主宰している黎明の会という政策研究会のメンバーには、今は自民党を離れてしまった亀井静香くんや平沼赳夫くんがいました。
そして私達がそれを発表しようと恩ったら、自民党の最高議決会の総務会が4回潰された。小沢幹事長が命じたんです。会期末だったので、そのまま国会は閉 幕。仕方ないから私達は翻訳して、外人記者クラブでも発表した。アメリカは嫌がるだろうけれど、私はやりました。しかし結局、アメリカの無法な要求はいく つか通りました。

 金丸のひと声で40億ドル

それをいいことにアメリカが何をやってきたか。毎年、日本はアメリカから年次改革要望書というものを突きつけられている。ああしろ、こうしろといろいろなことを言ってくる。
例えばアメリカの弁護士は水準が低く役に立たないのが多いのに、日本でも弁護士を増やせ、そしてアメリカの弁護士も日本で弁護できるようにしろと言ってきている。あるいは、金融市場をもっと開放しろとも。
金丸・小沢が牛耳っていた頃の自民党の歴代の大蔵大臣はたいした危惧も持たずに「ビッグバン」「ビッグバン」とはしゃいで金融の自由化をしました。
今どうなっているか。ヘッジファンドがどんどん出てきて、日本の会社を買い占めて売っている。ハゲタカファンドが日本で好きなことをして儲けている。こんなことを許したのは誰かといえば、小沢一郎じゃないですか。
そして1991年(平成3年)に湾岸戦争が起きた。プレディというアメリカの財務長官が日本に圧力をかけに飛んできた。アメリカにはカネがないから、日本はカネを出せと言いに来た。
当時は傀儡政権の海部政権、これは金丸と小沢が作った内閣です。金丸は海部の言うことなんか全く聞かずに、自分で人事をし、内閣を作った。海部は総理にしてもらっただけで、人事は何もできなかった。
その海部内閣の主要閣僚、外務大臣・中山太郎、大蔵大臣・橋本龍太郎、通商産業大臣・武藤嘉文、内閣官房長官・坂本三十次の4人で紀尾井町の「福田屋」という料理屋で接待したら、ブレディがいきなり40億ドル出せと言った。
4人はぶったまげて「そんなカネは急には出せない」と断った。ブレディは繰り返し3回言った後、「駄目なら俺は帰るぞ。駄目なんだな」と念を押した。
「よしわかった。これで日米関係は悪くなる。あんた方の責任だ。もう1回名前を教えろ。中山、橋本、武藤、坂本だな」。
そうしたら慌てて一人が立ち上がって「ちょっと待ってください!」。恐らく宣房長官の坂本でしょう。そう言ってある人に電話をかけた。
当然、相手は幹事長の小沢です。その後には金丸がいたろう。小沢が相談して、金丸が「それじゃあ出してやれ」となって、40億出すことになった。

刻印のない金の延べ棒が

ブレディは日本に4~5時間しかいなかったのに40億ドルせしめて帰ってきて、ワシントンで記者会見をした。
私は日本の政治家で一人だけ外人記者クラブのメンバーなんです。年中アメリカ人の記者と喧嘩する。喧嘩すると仲良くなるので、こちらに嫌な情報も教えてく れる。その一人からブレディの情報を聞いた。けれども嘘か本当かわからない。NHKの日高義樹くんが当時ワシントンの支局にいたので、帰国した時に裏を とって聞きました。その通りだと。
記者会見で、記者が「あまり機嫌がよくないけど、日本はやっぱりカネを出しませんでしたか」と聞いた。ブレディは「出したよ」と答える。
記者が「不機嫌なのを見ると、額が少ないんですね? いくらなんですか?」と聞かれて、ブレディが「40億ドル」と言ったら、みんなぶったまげた。
日本に数時間しかいなくてそれだけのカネが取れたのなら大成功じゃないですか、と言われたブレディがニヤッと笑って「俺は2日かかると思ったんだが、アイ ツらちょっと脅かしたら4時間でカネを出した。だったら最初からもっとふっかければよかった」。こんなことまで言われていたんだ。
その後、さらにアメリカは90億ドルを要求してきた。さすがにこれは内閣の一存では決まりませんから、9月に臨時国会を開いて、結局、合わせて130億ドルを出してアメリカの戦争を助けた。
ところが出した直後に戦争は終ってしまった。カネをどう使ったか報告がない。日本にキックバックしたという噂があります。日本のメディアはやる能力も覇気 もないから調べられない。アメリカ人の2人の記者が書きました。そのカネが誰にいったのか。想像に難くないけれど。
そして、それからすぐ小沢一郎は党を割って出て行った。
その後、1992年(平成4年)に金丸事件が起き、金丸さんは略式起訴された。警察が金丸さんの事務所に踏み込んでみると、刻印のない金の延べ棒が出てき た。金塊というのは、それを作った国の刻印が必ずあるんです。刻印のない金塊は北朝鮮です。北とどういう取り引きがあってのことか。途中で当人が亡くなっ てしまい真相は闇に葬られてしまった。
小沢・金丸は何をやったんですか。アメリカに約束した8年間に430兆のカネを無駄遣いして日本の経済力を弱めた。
430兆のカネを使って何をやったか。沖縄の経済需要の全くない島に5万トンのコンテナ船が着くような港ができている。市長が自慢して見に来てくれと言われたけれど、
船が来るのかと聞けばニヤニヤ笑うだけ。
北海道で熊や鹿しか出てこないようなところに道路を作った。その先に街なんかありゃしない。そういう馬鹿なことをやった。みんな国民の税金です。そのため国債も発行した。それで日本の財政はガタガタになってしまった。
いまだに670兆という厖大な国債がある。あっという間にイタリアの倍の国債依存率になってしまった。この体たらくを作ったのは誰なんですか。(中略)
小沢一郎のような人物が日本の親父になったらとんでもないことになります。


●「小沢総理」の実現の可 能性が近づいているとすれば、「日本もいよいよ独立国としては終わりに近づいた」という印象を受けます。アメリカ(の支配層)から「自民党潰し」の指令を 受けた小沢一郎という“猿回し師”が、いよいよ自分で“庶民騙し”ともいうべき悪猿の踊りを演じようとしているからです。小泉前総理が自民党の支持基盤を 徹底的に壊してしまったあと、それに呼応するかのようにマスコミが動きはじめ、民主党待望論が叫ばれるようになりました。
しかも、石原氏が暴露していますように、これまで黒幕としてさんざんな悪事を重ね、日本という国を売ってきた政治家が、自ら表舞台に立とうというのですか ら、まさに「(日本沈没の)機は熟した」と判断しているのでしょう。私は、安倍内閣誕生以降の政界、マスコミ、財界等の動きから、終末における「サタンの シナリオ・日本版」の幕が上がったと見ています。ここ2~3年のうちに、テレビのスポーツ番組やその他の低俗な番組を見て浮かれておれるような状況でなく なるのは確かでしょう。心しておきたいものです。
それにしても、日本の政治の中枢にいる政治家たちが、アメリカの財務長官の脅し文句ひとつですぐに国民の血税から40億ドル(4,500億円超)を貢いでしまったというエピソードには、あ然とさせられませんか。
小沢総理なんてまっぴらゴメンだ
 総力大特集 安倍か、小沢か
 WILL 2007年9月号                   ●石原慎太郎 (東京都知事)

 小沢が「日本の親父」!?

先週の週末、台風一過で久し振りに多摩川の土手を散歩し、町に出ると、見慣れないポスターが目に付いた。民主党党首・小沢一郎の顔が、表情の違うものが3枚並んでおり、その真ん中のポスターに「我らの親父」と書いてあった。
参院選を契機に与野党逆転させ自分の政権を作り、小沢内閣ができて自分が総理になるつもりなのだろう。そういう意味で、「我らの親父」というキャッチをつくったんだろうが、私は彼が「日本の親父」になるのなんてまっぴらゴメンです。
若い人は知らないだろうし、年配の方も忘れてしまっただろうけれど、小沢一郎が自民党でさんざん好き勝手をして、大金もつくり、平成5年に自民党を出て新しい政党を作った。それで政界は大混乱になった。その党は新生党という名前だった。
昭和49年、私は『文藝春秋』に角さんの金権政治を批判して「君、国売り給うことなかれ」という論文を書いた。それが引き金になって、立花隆さんと、もう一人は亡くなった児玉隆也さんの田中角栄の批判の記事が載りました。
立花さんは「田中角栄の金脈と人脈」を書き、児玉さんは「淋しき越山会の女王」というタイトルで、田中派を牛耳っていた佐藤昭という金庫番の女性のことを 書いた。すると、それがきっかけで彼女を参考人として国会に呼ぼうじゃないかということになった。角さんは「これはいかん」と思ってパッと辞めちゃった。
角さんが辞めたのはロッキード事件ではない。ロッキード事件は辞めた後のことです。
私は角さんはアメリカの陰謀の犠牲になったんだと思う。角さんは何もかもアメリカに牛耳らせてはならない、せめてこれからのエネルギー、原子力のウラニウ ムの供給だけは自前のルートを作ろうと、首相外交でやろうと思った。それがアメリカの勘に触った。
エネルギー問題でアメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄を完全に葬ろうとして、アメリカがメチャクチャな裁判をけしかけてきたのです。

 過去にけじめもつけずに

しかし、金権で倒れた後も、ロッキード事件が起こるまで角さんの作った田中派、「経世会」は、自民党すなわち日本の政治を牛耳ってきた。そのもとで一番、 勝手気ままなことをした金丸信という人の庇護の下で、30代で幹事長をつとめ、自民党を壟断してきたのが小沢一郎です。その小沢一郎がさっさと仲間を固め て出て行って、新生党を作った。その時に、田中角栄の金権政治と戦った立花隆さんは朝日新聞にこう書きました。

  《羽田新党とは何か。あなた方は、要するに経世会の分裂した片割れではないか。経世会とは何か。要するに旧田中派ではないか。田中派とは何か。5億円収賄犯・田中角栄をかついで、日本の政治を10年余りにわたって目茶苦茶にしてきた徒党ではないか。
党外の刑事被告人を領袖とあおぎ、天才政治家とあがめ、田中が右といえば右、左といえば左に動いて、日本の総理大臣の首を次々にすげかえ、数の力であらゆ る道理を踏みにじってきた、政治腐敗の元凶のような集団ではないか。あなた方はその中核だったではないか。
田中が病気に倒れると、看板を経世会とかけかえただけで、田中派時代と全く同じように、金の力と数の力で政治を支配し、権力のうま味を思う存分吸い取ってきたのが、あなた方ではなかったか。
あなた方のつくったそうした政治構造が、リクルート事件を生み、佐川事件を生み、金丸事件を生んだのではなかったか。いまや政治腐敗の代名詞となった竹 下・金丸は、あなた方の大親分ではなかったか。ついこの間まで大親分の集めた黒いカネを喜んでもらっていたのは誰なのか。
政治改革という錦の御旗を振り回していれば、そういう恥ずべき過去をみんな忘れてくれるとでも思っているのだろうか。
いま必要なのは、政治改革よりあなた方の人間性改革だろう。その第一歩は、日本の政治を破壊し腐敗させてきたのは自分たちであると正直に認め、懺悔し、反 省することである。自分たちの過去にけじめもつけずに、何が新生だ。ちゃんちゃらおかしい》
(1993年6月24日)


かなり激しい文章だが、しかしこの通りだと思う。

 アメリカの経済奴隷に

日本とアメリカの関係の中で、日本をアメリカの経済奴隷にしたのは誰か。金丸・小沢じゃないですか。
大都市はともかく、地方都市の商店街はほとんど潰れてしまった。そして代わりに郊外に大店舗が出来た。私は自分の選挙区での体験から、こんなものを作った ら商店街は駄目になるとわかっていたし、多くの者が反対した。アメリカの圧力のままに、大店舗法なるものを改悪し、商店街を潰したのは金丸、小沢です。
それから、やっちゃいけない日本とアメリカの対の経済構造協議というのをやった。
世界が狭くなってきて、経済先進国同士で問題が起こると世界全体に影響を及ぼすからと、みんなで合議しようということで経済先進国が集まってWTOとかOECDを作った。
しかし、アメリカは日本の経済に押されて具合が悪くなってきたので日本をとっちめてやろうと、安保条約で恩に着せて、自分達が軍備を使って日本を守って やっているんだから言うことを聞けといって、バイラテラル(2国間)の経済構造協議をやることになった。
私達は大反対しました。案の定、アメリカは270項目の要望を突きつけてきた。中にはとんちんかんなものが随分あった。
私はそれに反対して、140項目の反対案を作った。私が主宰している黎明の会という政策研究会のメンバーには、今は自民党を離れてしまった亀井静香くんや平沼赳夫くんがいました。
そして私達がそれを発表しようと恩ったら、自民党の最高議決会の総務会が4回潰された。小沢幹事長が命じたんです。会期末だったので、そのまま国会は閉 幕。仕方ないから私達は翻訳して、外人記者クラブでも発表した。アメリカは嫌がるだろうけれど、私はやりました。しかし結局、アメリカの無法な要求はいく つか通りました。

 金丸のひと声で40億ドル

それをいいことにアメリカが何をやってきたか。毎年、日本はアメリカから年次改革要望書というものを突きつけられている。ああしろ、こうしろといろいろなことを言ってくる。
例えばアメリカの弁護士は水準が低く役に立たないのが多いのに、日本でも弁護士を増やせ、そしてアメリカの弁護士も日本で弁護できるようにしろと言ってきている。あるいは、金融市場をもっと開放しろとも。
金丸・小沢が牛耳っていた頃の自民党の歴代の大蔵大臣はたいした危惧も持たずに「ビッグバン」「ビッグバン」とはしゃいで金融の自由化をしました。
今どうなっているか。ヘッジファンドがどんどん出てきて、日本の会社を買い占めて売っている。ハゲタカファンドが日本で好きなことをして儲けている。こんなことを許したのは誰かといえば、小沢一郎じゃないですか。
そして1991年(平成3年)に湾岸戦争が起きた。プレディというアメリカの財務長官が日本に圧力をかけに飛んできた。アメリカにはカネがないから、日本はカネを出せと言いに来た。
当時は傀儡政権の海部政権、これは金丸と小沢が作った内閣です。金丸は海部の言うことなんか全く聞かずに、自分で人事をし、内閣を作った。海部は総理にしてもらっただけで、人事は何もできなかった。
その海部内閣の主要閣僚、外務大臣・中山太郎、大蔵大臣・橋本龍太郎、通商産業大臣・武藤嘉文、内閣官房長官・坂本三十次の4人で紀尾井町の「福田屋」という料理屋で接待したら、ブレディがいきなり40億ドル出せと言った。
4人はぶったまげて「そんなカネは急には出せない」と断った。ブレディは繰り返し3回言った後、「駄目なら俺は帰るぞ。駄目なんだな」と念を押した。
「よしわかった。これで日米関係は悪くなる。あんた方の責任だ。もう1回名前を教えろ。中山、橋本、武藤、坂本だな」。
そうしたら慌てて一人が立ち上がって「ちょっと待ってください!」。恐らく宣房長官の坂本でしょう。そう言ってある人に電話をかけた。
当然、相手は幹事長の小沢です。その後には金丸がいたろう。小沢が相談して、金丸が「それじゃあ出してやれ」となって、40億出すことになった。

刻印のない金の延べ棒が

ブレディは日本に4~5時間しかいなかったのに40億ドルせしめて帰ってきて、ワシントンで記者会見をした。
私は日本の政治家で一人だけ外人記者クラブのメンバーなんです。年中アメリカ人の記者と喧嘩する。喧嘩すると仲良くなるので、こちらに嫌な情報も教えてく れる。その一人からブレディの情報を聞いた。けれども嘘か本当かわからない。NHKの日高義樹くんが当時ワシントンの支局にいたので、帰国した時に裏を とって聞きました。その通りだと。
記者会見で、記者が「あまり機嫌がよくないけど、日本はやっぱりカネを出しませんでしたか」と聞いた。ブレディは「出したよ」と答える。
記者が「不機嫌なのを見ると、額が少ないんですね? いくらなんですか?」と聞かれて、ブレディが「40億ドル」と言ったら、みんなぶったまげた。
日本に数時間しかいなくてそれだけのカネが取れたのなら大成功じゃないですか、と言われたブレディがニヤッと笑って「俺は2日かかると思ったんだが、アイ ツらちょっと脅かしたら4時間でカネを出した。だったら最初からもっとふっかければよかった」。こんなことまで言われていたんだ。
その後、さらにアメリカは90億ドルを要求してきた。さすがにこれは内閣の一存では決まりませんから、9月に臨時国会を開いて、結局、合わせて130億ドルを出してアメリカの戦争を助けた。
ところが出した直後に戦争は終ってしまった。カネをどう使ったか報告がない。日本にキックバックしたという噂があります。日本のメディアはやる能力も覇気 もないから調べられない。アメリカ人の2人の記者が書きました。そのカネが誰にいったのか。想像に難くないけれど。
そして、それからすぐ小沢一郎は党を割って出て行った。
その後、1992年(平成4年)に金丸事件が起き、金丸さんは略式起訴された。警察が金丸さんの事務所に踏み込んでみると、刻印のない金の延べ棒が出てき た。金塊というのは、それを作った国の刻印が必ずあるんです。刻印のない金塊は北朝鮮です。北とどういう取り引きがあってのことか。途中で当人が亡くなっ てしまい真相は闇に葬られてしまった。
小沢・金丸は何をやったんですか。アメリカに約束した8年間に430兆のカネを無駄遣いして日本の経済力を弱めた。
430兆のカネを使って何をやったか。沖縄の経済需要の全くない島に5万トンのコンテナ船が着くような港ができている。市長が自慢して見に来てくれと言われたけれど、
船が来るのかと聞けばニヤニヤ笑うだけ。
北海道で熊や鹿しか出てこないようなところに道路を作った。その先に街なんかありゃしない。そういう馬鹿なことをやった。みんな国民の税金です。そのため国債も発行した。それで日本の財政はガタガタになってしまった。
いまだに670兆という厖大な国債がある。あっという間にイタリアの倍の国債依存率になってしまった。この体たらくを作ったのは誰なんですか。(中略)
小沢一郎のような人物が日本の親父になったらとんでもないことになります。


●「小沢総理」の実現の可 能性が近づいているとすれば、「日本もいよいよ独立国としては終わりに近づいた」という印象を受けます。アメリカ(の支配層)から「自民党潰し」の指令を 受けた小沢一郎という“猿回し師”が、いよいよ自分で“庶民騙し”ともいうべき悪猿の踊りを演じようとしているからです。小泉前総理が自民党の支持基盤を 徹底的に壊してしまったあと、それに呼応するかのようにマスコミが動きはじめ、民主党待望論が叫ばれるようになりました。
しかも、石原氏が暴露していますように、これまで黒幕としてさんざんな悪事を重ね、日本という国を売ってきた政治家が、自ら表舞台に立とうというのですか ら、まさに「(日本沈没の)機は熟した」と判断しているのでしょう。私は、安倍内閣誕生以降の政界、マスコミ、財界等の動きから、終末における「サタンの シナリオ・日本版」の幕が上がったと見ています。ここ2~3年のうちに、テレビのスポーツ番組やその他の低俗な番組を見て浮かれておれるような状況でなく なるのは確かでしょう。心しておきたいものです。
それにしても、日本の政治の中枢にいる政治家たちが、アメリカの財務長官の脅し文句ひとつですぐに国民の血税から40億ドル(4,500億円超)を貢いでしまったというエピソードには、あ然とさせられませんか。

2011年1月24日月曜日

B型肝炎集団訴訟、和解へ 全国原告団も地裁案受け入れ

2011年1月22日
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【動画】B型肝炎集団訴訟、和解へ 全国原告団も地裁案受け入れ
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 乳幼児期の集団予防接種の注射器の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染したとして、国を相手取り損害賠償を求める集団訴訟を起こした全国原告団は22日、 東京都内で総会を開き、札幌地裁が示した和解案を受け入れることを決めた。国も受け入れる方針を決めており、10地裁で原告630人に広がった訴訟は和解 が成立する見通しになった。
原告側は2月15日の和解協議までに札幌地裁に伝える。今年度内の基本合意を目指すが、国による謝罪や全員救済実現、差別や偏見の解消などの課題を解決 する道筋が付くことを「前提条件」としており、国側と細部を詰める作業が残されている。話し合いが順調に進めば、和解協議入りしている札幌、福岡両地裁に 続き、他の8地裁でも和解に向けた手続きに移る見通し。
政府は和解案に沿って救済策を講じた場合の費用を、原告以外の人たちを含め最大3.2兆円と試算。今後政府や与野党間で財源や立法措置の検討が加速するとみられる。
総会後の記者会見で全国原告団の谷口三枝子代表(61)は「すべてに満足できるわけではないが、(各地からの)代議員の議決で札幌地裁の所見を受け入れ ることに決めた」と述べた。症状がまだ出ていない持続感染者への和解金が50万円と少ないことなどから、「積み残された課題は多い」と話し、検査体制充実 や差別、偏見をなくす取り組みに向けて国と協議を続ける意向を示した。
長年にわたり感染被害が広がったことについては、加害責任に基づき国が真摯(しんし)に謝罪するよう求めた。発症から20年たった肝炎患者や、予防接種で感染した母親からうつった「二次感染者」への対応は和解案に盛り込まれなかったが、これらも課題に挙げた。
総会には札幌、東京、新潟、静岡、金沢、大阪、鳥取、松江、広島、福岡の各地裁の原告団から代議員29人が参加した。「持続感染者の和解金が低すぎる」との意見が出たが、「重症化している患者も多く、訴訟を長引かせるわけにはいかない」との結論に至ったという。
札幌地裁は「厚生行政上の過誤による被害の救済策」として、肝がんや肝硬変、慢性肝炎を発症している患者や亡くなった人に症状に応じ3600万~1250万円、症状が出ていない持続感染者に50万円と検査費用などを支払う和解案を示していた。
菅政権は「司法の判断を重く受け止め、基本的には前向きに検討する」との基本姿勢を確認、1月中にも受け入れを正式に表明する方針。(北林晃治)

■全国B型肝炎訴訟原告団の声明(骨子)
・和解案(所見)は、苦渋の選択だが基本的に受け入れる。
・被害者の全員救済を実現するため、予防接種を受けた事実について不可能な証拠提出を必要としないよう国に求める。
・国は国民に集団予防接種による加害などの事実を説明し、被害者に謝罪すべきだ。
・財源論を強調し、増税論までちらつかせる国の姿勢は許せない。
・全面解決に向けて、国に正確な医学知識の普及による差別・偏見をなくす施策を求める。

〈B型肝炎集団訴訟〉1948~88年に国が地方自治体に実施させた集団予防接種などでB型肝炎ウイルスに感染したとして、08年3月、患者ら5人が札 幌地裁に提訴した。これを皮切りに、全国10地裁で原告計630人(22日現在)が国に損害賠償を求めている。今月11日、札幌地裁が、症状がまだ出てい ない持続感染者も救済対象に含める和解案を示し、国は受け入れる姿勢を見せていた。
B型肝炎ウイルスは、出産時の母子感染のほか、注射器の使い回しなどの医療行為で主に血液を介して感染。発症すると肝機能が低下、肝硬変や肝がんになる場合がある。




国会議員講演会に防諜部隊投入、自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」

2011.1.24 01:30 (2/2ページ)
 保全隊は外国情報機関によるスパイ活動などから自衛隊の保有情報を防護するのが主任務。自 民党政権時代には「日本赤軍」や「オウム真理教」のほか、「暴力革命の方針」(警察庁公表文書)を掲げた共産党が自衛隊を侵食するのを防ぐため、それらの 監視活動も行っていた。ただ、保守系の議員や自衛隊OBを監視対象にしたことはない。
 防衛相経験者の石破茂自民党政調会長は「保全隊は自衛隊の安全を守る組織で在任中は恣(し)意(い)的に運用しないよう徹底させていた。何を目的にした監視活動か追及する」と話している。
 監視対象とされていた佐藤氏は「自衛隊への破壊活動とそれを目的とした浸透活動をはかる団体の情報収集は必要だが、対象を際限なく拡大するのは問題だ。自衛隊員は国家に忠誠を尽くすことは求められるが、政党や政治家の私兵ではない」と指摘している。
     ◇
  自衛隊情報保全隊 平成21年8月、陸海空3自衛隊の情報保全隊を統合し、大臣直轄部隊として新編。ネット上での情報流出やイージス艦情報漏(ろう)洩 (えい)事件を受け、機密保全強化と自衛隊へのスパイ活動に関する情報収集の効率化のための措置。実動部隊は中央情報保全隊と北部、東北、東部、中部、西 部の地域ごとの保全隊で構成する。駐屯地や基地ごとに派遣隊も置き、隊員は約1千人。


国会議員講演会に防諜部隊投入、自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」

2011.1.24 01:30 (1/2ページ)
 北沢俊美防衛相直轄の防諜部隊「自衛隊情報保全隊」が、陸上自衛隊OBの佐藤正久自民党参 院議員や田母神俊雄元航空幕僚長の講演に潜入し、現職自衛官の参加状況を監視していることが23日、分かった。複数の防衛省・自衛隊幹部が明らかにした。 本来任務とは乖離(かいり)した不当調査の疑いがあり、憲法で保障された思想・信条の自由を侵害する監視活動との指摘も出ている。
自民党は24日召集の通常国会で、自衛隊行事での民間人による政権批判を封じる昨年11月の「事務次官通達」問題と合わせ、保全隊の監視活動についても政府を追及する方針。
保全隊は佐藤、田母神両氏の講演のほか、田母神氏が会長を務める保守系民間団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」の集会にも隊員を派遣。また、陸上自衛隊唯一の特殊部隊「特殊作戦群」の初代群長を務めた陸自OBの会合なども監視対象にしている。
監視目的は現職自衛官の参加の有無を確認し、参加している場合は氏名も特定する。佐藤、田母神両氏の発言内容もチェックし、報告書の形でまとめ、提出させている。
陸自朝霞駐屯地(東京都など)に本部を置く東部情報保全隊の隊員が投入されるケースが多いとされる。保全隊は陸海空3自衛隊の統合部隊で、監視実態が発覚 しないよう、空自隊員の参加が想定される田母神氏の講演には隊員同士の面識がない陸自の保全隊員を派遣することもあるという。

国会議員講演会に防諜部隊投入、自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」

2011.1.24 01:30 (2/2ページ)
 保全隊は外国情報機関によるスパイ活動などから自衛隊の保有情報を防護するのが主任務。自 民党政権時代には「日本赤軍」や「オウム真理教」のほか、「暴力革命の方針」(警察庁公表文書)を掲げた共産党が自衛隊を侵食するのを防ぐため、それらの 監視活動も行っていた。ただ、保守系の議員や自衛隊OBを監視対象にしたことはない。
防衛相経験者の石破茂自民党政調会長は「保全隊は自衛隊の安全を守る組織で在任中は恣(し)意(い)的に運用しないよう徹底させていた。何を目的にした監視活動か追及する」と話している。
監視対象とされていた佐藤氏は「自衛隊への破壊活動とそれを目的とした浸透活動をはかる団体の情報収集は必要だが、対象を際限なく拡大するのは問題だ。自衛隊員は国家に忠誠を尽くすことは求められるが、政党や政治家の私兵ではない」と指摘している。

自衛隊情報保全隊 平成21年8月、陸海空3自衛隊の情報保全隊を統合し、大臣直轄部隊として新編。ネット上での情報流出やイージス艦情報漏(ろう)洩 (えい)事件を受け、機密保全強化と自衛隊へのスパイ活動に関する情報収集の効率化のための措置。実動部隊は中央情報保全隊と北部、東北、東部、中部、西 部の地域ごとの保全隊で構成する。駐屯地や基地ごとに派遣隊も置き、隊員は約1千人。


2011年1月24日月曜日

B型肝炎集団訴訟和解で尊い同胞の方々大勝利ニダ!

日本の納税者大敗北か?(爆w





重要なのはココ




で、










、、、(爆w

2011年1月24日月曜日

自衛隊情報保全隊がちゃんとお仕事されてた件

国防面から「頑張れ日本!全国行動委員会」とか佐藤正久自民党参院議員とか田母神俊雄元航空幕僚長は徹底監視されて当然の行為を行われてるわけだが・・・(爆w

これも最近の一連の記事の続きですね。(w





でも重要なのはコチラ。(爆w





隠れ北朝鮮系極右団体、頑張れ日本!全国行動委員会は監視するべきですから!(爆w





田母神さんもおられるわけで・・・(爆w

伊勢白山道さんご推奨の
メガホームジャパンでお馴染みの台湾
のエロイ方がたも。(爆w

で、去年も行かれてるんですよね。(w


で、実質的な

頑張れ日本!全国行動委員会

の黒幕は














確か最近、浪川銀行(朴銀)を吸収合併された山腱組方面の方じゃなかったっけ?(w

で、台湾にはたしかオザワンのご親戚の某氏が・・・(爆w

おっとこれ以上かくとホントに呪い殺されかれないですね。

下記方面の方々に・・・




、、、(w

3 コメント:

匿名 さんのコメント...
東京都世田谷区宮坂3丁目のマンション1階に住む元航空幕僚長の田母神俊雄さん(62)が空き巣の被害に遭っていたことが警視庁への取材でわかった。 北沢署によると、田母神さんが23日午後8時ごろに帰宅したところ、ベランダの窓が割られ、室内が物色されていた。被害は、指輪などの貴金属や現金など計300万円相当に上るという。 田母神さんはこの日、午前中に自宅を出て、埼玉県内であった講演会に出席していたという。同署は窃盗事件として調べている。 http://www.asahi.com/national/update/0124/TKY201101240235.html
匿名 さんのコメント...
何かの証拠を隠滅したんでしょうか?
匿名 さんのコメント...
例の談合事件の証拠隠滅ですか?

2011年1月21日金曜日

「もの言う株主」が残した宿題 スティールなど退潮、日本離れ

フジサンケイ ビジネスアイ 1月21日(金)8時16分配信
「もの言う株主」が残した宿題 スティールなど退潮、日本離れ
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東京・恵比寿のサッポロホールディングス本社(写真:フジサンケイビジネスアイ)
「もの言う株主」として恐れられ、経営を揺るがしてきた外資系ファンドが日本での活動を縮小している。代表格の米スティール・パートナーズは2010年 末、サッポロホールディングス(HD)株を全株売却し、今後は日本企業の新たな株式購入を控える方針だ。背景には日本企業が国際競争で劣勢に立たされ、投 資先としての魅力が薄れてきたことに加え、日本的商慣行の「株式持ち合い」が買収の壁となっている実情があり、日本企業が抱える経営環境の功罪を浮き彫り にしている。

[表でチェック] スティール・パートナーズ関連の日本株

「常に企業価値を磨き抜く覚悟と日々の努力がなければ、どんな企業も同じ状況に陥るのではないか」。スティールとの6年余りの攻防についてサッポロビールの寺坂史明社長は1月12日の事業説明会で、自身に言い聞かせるように語った。

04年10月、5%超のサッポロ株保有が表面化したスティールは、その後19.28%まで買い増し、07年2月には株式公開買い付け(TOB)による買 収を宣言した。サッポロ側がこれを拒否すると経営陣の刷新を求め、両者の攻防はエスカレート。だが、役員選任案が10年3月の株主総会で機関、個人投資家 などの支持を得られず否決されると、海外のファンド出資者の意向もあり、スティールは12月中旬までに全株式を手放した。

サッポロHD経営戦略部の大浦宗彦グループリーダーは「3期連続で増益を確保した実績や、16年までの成長戦略が株主に支持された」と説明する。サッポ ロは高級ビールや第3のビールに資源を集中しており、11年のビール系飲料の販売計画は前年比2.3%増の5635万ケース(1ケースは大瓶20本換算) と、アサヒビールやキリンビールのマイナス計画と対照的に強気だ。

ただ、サッポロHDの株価はこの1年間で約25%下落しており、市場の評価は厳しく、「スティールとの攻防で得たものは何もない」(サッポロ関係者)と の声も上がる。スティール側も痛手を負った。サッポロHD株からの撤退では1株400円台とみられる取得価格を下回る300円台で売却しており、損失が生 じたとみられている。

スティールは08年秋のリーマン・ショック後、出資をあおぐ欧米の年金基金などが資金を回収したため、投資を縮小してきた。昨年12月には07年に敵対的買収を仕掛けた機械のこぎりメーカー、天龍製鋸の全株を同社に売るなど、数十社に及ぶ投資先株式の大半を処分した。

スティールが5%超の株を現在保有するのは、社長を送り込んで経営再建を進めるユニヘアー(旧アデランスホールディングス)だけ。スティール関係者は「日本から撤退することはない」とするが、日本での投資は大幅に縮小する意向という。

◆企業価値向上の教訓

「もの言う」外資系ファンドでは、英ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドが08年11月、経営改善を求めたJパワー(電源開発)の株式 9.9%を同社側に売却したほか、米サウスイースタンも昨年9~11月、第一興商の約69万株を市場を通じ売却するなど、日本企業の保有割合を下げるケー スが目立つ。

かつての買収攻勢について、企業買収に詳しい太田洋弁護士は「ターゲットになった企業を含め、株主還元に力を入れなければという緊張感を上場企業に生んだ」と、企業側の意識改革を促した効果を指摘する。

一方、ファンド側にすれば、経営の安定化や取引関係の強化を図るために取引先や金融機関との間で行う「株式持ち合い」が、日本企業の成長を阻害している との思いが強い。日本からの撤退加速は「『日本だけの非常識』によって、投資先としての魅力が薄れている」(大手法律事務所)ためというのだ。

実際、外資系ファンドの投資先は日本株に見切りを付け、中国やインドなどアジアの新興国市場に移っているという。

欧米で頻繁に行われるM&A(企業の合併・買収)は経営陣刷新などが企業の成長につながる側面もあり、株式持ち合いは「日本の国際競争力低下の一 因」(アナリスト)との指摘もある。外資系ファンドの退潮を日本経済衰退の前兆としないためには、企業価値向上に向けた取り組みの強化が欠かせない。(鈴 木正行、小川真由美)


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最終更新:1月21日(金)13時40分
フジサンケイ ビジネスアイ
 

スティール・パートナーズの正体


 サッポロホールディングスへの買収提案で突如、脚光を浴びた米国系投資ファンド「スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド (SPJSF)」。上場する29社の大株主だが、いったい何ものなのか。実は経営陣の肝を冷やす、外資ファンドが近く大挙してやってくる恐れもあるとい う。
本誌 山本 航
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運用規模も資金源もはっきりしない――外資ファンドには、そんな不透明さがつきまとう。
購入資金は約3087億円で、その時価総額約4414億円。この数字は、3月15日現在で判明しているSPJSFの29社分の運用内容だ。関東財 務局に提出された大量保有報告書を基に計算した。金融当局が報告書の提出義務を課しているのは、1社の株式に占める保有割合が5%超の上場株。つまり5% を下回る株式は、いったいどれほど保有されているかわからない。
SPJSFとは何ものか。
本誌がスティール側に取材を申し込んだところ、SPJSFの広報担当者が回答を寄せた。
――投資の目的は?
「我々は、企業価値の向上が見込める日本企業に投資する純粋なファンドだ」
――今年1月の大量保有報告書に、保有目的として「投資」のほかに取締役派遣、配当方針の変更に関する提案などの経営にかかわる項目も加わったが?
「金融取引に関するルール変更があったので追記した」
――SPJSFの運用規模は?
「投資してくれた方に対する守秘義務がある。開示できない」
――経済産業省の北畑隆生次官が2月19日の記者会見で「グリーンメーラー的」と批判したが?(グリーンメーラー=意図的に株価をつり上げ、会社や関係者に株を引き取らせる行為)
「個別の見解に対してのコメントは差し控えたい。ただ、そうした活動は一切していない。昨年の明星食品の場合、我々は将来性を見込んで投資し、日 清食品との資本提携を評価して(日清の)TOB(株式公開買い付け)に協力した。その売却益も日清に再投資している。経営陣に対して、株主として何らかの 提案をしたのもサッポロが初めてだ」
――そのサッポロは3月1日に質問状を出した。対応は?
「回答に向けて準備中だが、質問内容が詳細にわたるので時間がかかるかもしれない」
これだけでは、まだわからないため、本誌はさらに取材を続けた。
SPJSFのルーツは、1990年代に米国で設立されたスティール・パートナーズにさかのぼる。最初の投資先が鉄鋼会社だったことが、その名の由来とされる。
一般的に、ファンドの運営会社は複数のファンドを管理するが、スティールの場合はファンドごとに組織が分けられているという。そのうちの一つで、株式など日本の有価証券を投資先に定めているのがSPJSFで、2002年に運用が始まった。
SPJSFが保有する日本株

丸の内に“日本法人”も

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SPJSFの買収提案に関する記者会見終了後に退席するサッポロホールディングスの村上隆男社長(3月1日、菅野 靖 撮影)
SPJSFの事務所があるのは米マサチューセッツ州内だが、本籍はカリブ海沖のケイマン諸島だ。ケイマン諸島はタックスヘイブンで税率がゼロもしくは著しく低い。各国の税務当局との連携も弱く、情報開示を望まないファンドが数多く存在する。
SPJSFには数人のマネジャーがいるが、その最終決定権を持つ代表者は米国人のウォレン・リヒテンシュタイン氏だ。関係者によると、年齢は40歳ぐらいで小柄、頭が切れるとの声が高く、過去に数回、来日したことがあるという。
スティールには日本法人に相当する会社がある。01年設立の「スティール・パートナーズ・ジャパン」だ。東京・丸の内にあり、代表は、旧日興証券 で投資銀行業務を担当した西裕介氏。「ジャパン」は投資顧問としてSPJSFへのアドバイスや事務を受け持っているが、資本関係はないという。SPJSF は千代田区内の法律事務所とも関係が深い。この法律事務所は、ファンド関連の案件に詳しいことで知られている。
SPJSFの名は03年末から04年にかけて、関係者には名が知れわたっていた。いずれも東証上場のユシロ化学工業と毛織物染色大手ソトーに対するTOBを実施し、TOBには失敗したが、両社が04年3月期の配当を引き上げて、SPJSFは実利を得ることに成功した。
06年には「チャルメラ」の明星食品にTOBを仕掛けた。その後、日清食品も明星との資本提携に乗り出してTOBを実施すると、これに応じて明星 株を手放し、約36億円の売却益を上げたといわれる。そして、今年2月、国内のビール業界3位でサッポロビールの持ち株会社サッポロホールディングスの株 式を、TOBで66・6%まで買い増すことを明らかにしたというわけだ。

代表者表に出ず

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東京・丸の内のオフィスビル内には「スティール・パートナーズ・ジャパン」もある(吉川 努 撮影)
これらを見ると、SPJSFの手法は「もの言う株主」として投資先企業の株価を引き上げ、利益を上げるパターンが目立つ。一見、インサイダー取引事件で起訴された村上世彰被告の率いた「村上ファンド」に似ているが、
「最初のうちは実力よりも株価が割安な企業を標的にした点は同じ。ただ、その後、村上氏は不動産の規模など一企業の価値を重視したが、SPJSFは経済全体を見て投資している」
と、吉川満・大和総研資本市場調査本部長は指摘する。
「競争が激しく再編が見込める業界を見定めて、再編のキーを握る会社の株を大量購入する。そして、その会社を手に入れれば、優位に立てるライバル社に高値で株を引き取ってもらう。明星のケースはその典型です」
SPJSFはファンド出資者の正体について一切明らかにしていない。村上氏が「米国の大学財団とか日米の年金とか」「中東からも、すごいお金がきます」
と明かしていたのとは対照的だ。
ある金融関係者はこう言う。
「両方のファンドは特定層が対象の私募型。出資先を明かすことは“ご法度”で、ファンドの世界ではSPJSFのほうが常識的だ」
メディアへの姿勢にも差がある。村上氏は、05年の阪神電鉄(現・阪急阪神ホールディングス)の株買い占めから翌年6月に逮捕されるまで、テレビや記者会見に積極的に現れ、自らの正当性を主張し続けた。
一方、SPJSFは代表者が表に出てこない。前出の「ジャパン」の西代表も今年に入り、各新聞社の再三の求めにようやく取材に応じた程度だ。3月 13日、サッポロの買収防衛策に反対を呼び掛けるホームページを開いたが、インターネット上の主張はこれが初めて。「今まで出資者以外の不特定多数に自ら を紹介する必要がなかった」(関係者)からだ。
外資系金融機関に身を置いた経験がある国際金融アナリストの青柳孝直さんは、SPJSFは、実に的確で稼ぎやすい銘柄を選んでいると感心させられるという。
「米国人のみで詳細な銘柄選択は難しい。ブレーンに日本企業と金融に精通した日本人がいるのではないか。実際に20~30歳代の若手のなかには、 日本の金融機関に愛想を尽かし、アメリカで金融市場の勉強を積んだ人も少なくない。私の見方では、主な投資家は富裕層の米国人たちで、運用する担当者に日 本人が含まれていると思う」
日本人ではありながら日本に愛想を尽かしているとなると、
「今までの日本企業のあり方が崩壊しても感傷的にならない。あくまでファンドの利益を上げることが最優先だ」。
青柳さんは、その行動パターンをそう類推した。
「実態のわからないファンドの数は、米国内で200はくだらない。こうしたファンドがいっせいに日本に狙いを定めたらどういう事態になるだろうか」

迫る「三角合併」解禁

そもそも株を上場すれば、M&A(企業の合併・買収)のリスクは常にある。国内企業がかかわったM&Aは06年だけで約2800件あり、買収総額 は15兆円を超えた。M&Aが活性化する一方、日本の上場企業は、敵対的な買収に備えて防衛策の導入を急ピッチで進めている。この5月、三角合併が解禁さ れることが、背景にある。
三角合併とは、ある企業が自分の子会社と買収したい企業を合併させて、傘下に収める方法だ。買収先企業の株主に、自社の株式を割り当てるので、多額の資金は不要になる。現状では時価総額が高い外国企業が、日本企業を買収しやすくなる。
三角合併の成立は、買収する側とされる側の合意が条件だ。そのため、買収方法の選択肢は広がっても、脅威にならないとの意見もある。だが、前出の青柳さんは、外資ファンドと外国企業がタッグを組み、国内企業の買収を仕掛けてくると警告する。
「ある外国企業に裏で資金提供を受けた外資ファンドが、標的にした日本企業の株を買い占めて圧力をかける。困った日本企業を救うようにその外国企業が現れて、三角合併を使ってグループに取り込んでしまう」
もちろん、外資ファンドといっても、色合いはだいぶ異なる。例えば、業績不振の日本ビクター買収に名乗り出たTPGは、スティールと同じ米国系だ が、各国の大手企業に経営参加した経験を持つ。日本でも玩具大手のタカラトミーと提携し、「リカちゃん人形」の海外進出を支援する。自らの利益は当然大事 だが、日本企業のメリットにもなる活動も担いつつある。
SPJSFはサッポロに対し、「経営陣および従業員の皆様に敬意を持っている」と伝えている。額面通りに受け取っていいのだろうか。SPJSFが大株主となっている企業の、社員が言う。
「外資ファンドに日本企業がのみ込まれるか否かは、サッポロの買収劇の決着次第だ。もし、ライバルメーカーがサッポロを手中に収めようとして、SPJSFを利してしまえば『日本企業は脅しや誘惑に弱い』とみて、彼らは押し掛けてくる」
どうしたら「買収」が防げるのか。前出の吉川さんは、企業に既存株主に新株を割り当てて買収者の持ち株比率を落とす「ポイズン・ピル」導入の必要性を強調したうえで、こう呼び掛ける。
「粉飾決算から存続危機に陥った日興コーディアルグループのような犯罪行為は、外資ファンドにスキを与えてしまう」
つまりスキがあれば、容赦はないということなのだ。
三角合併の仕組み

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